タイミー経由のアップル運輸での雇用実態
以前に記事で取り上げたタイミー利用者からの公益通報に関する事例ですが、その後ワーカーさんより正式に組合加入を頂き、アップル運輸に対して労働者としての正当な権利を回復するよう請求を行なっておりました。
記事では引越業者Xとして登場した、ワーカーに休憩を取らせないタイミー導入企業ですが、労働組合からの正式な要求にも一切の応答をしないため、団結権・団体行動権の正当な行使として、企業名を公表するに事に致しました。
ワーカーに休憩を与えないアップル運輸
引越し行者Xこと株式会社アップル運輸は昭和62年に創業され、知名度の高いアート引越センターのフランチャイズを古くからメイン事業として活動しており、長野県でも社会的責任が大きな企業と言えます。
そんなアップル運輸は松本営業所にて、メイン事業であるアート引越センターの引越しスタッフを、タイミーを利用して集めています。
しっかりと休憩80分と記載されていますが、組合員に休憩が与えられることはありませんでした。
ワーカーが応募した後にタイミーアプリ上で発行される労働条件通知書にも明記されているにも拘らず、、、
(休憩)
第三十四条 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
② 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
③ 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。
労働基準法
そもそも休憩を取らせない時点で労働基準法違反ですが、一見すると使用者側からも労働者側からも便利に見えるタイミーだからこそ起こる、潜在的かつ被害も広範囲に渡る根本的な問題点について、当組合は度々指摘しておりますが、タイミーも導入企業も共に、理解ができないのかシラを切っているのか、どちらにせよワーカーに対する重大な責任については逃れる姿勢を貫いています。
このように、タイミー経由のワーカーに休憩を取らせず正社員と同一の労働をさせるアップル運輸は、全ワーカーに対して正社員と同等の扱いをしなければなりませんが、アップル運輸には一切その気がありません。
もしくは、公式HPで採用特設サイトまで設置して堂々と採用条件をアピールしていますが、そもそも正社員全員をこの採用条件では働かせていないと言うことでしょうか?
タイミー経由のアップル運輸での雇用実態
繰り返しになりますが、少なくともタイミー経由での雇用実態は、タイミでの応募要項や労働条件通知書とは異なります。
今回、お金が必要となりタイミーでバイトしたので早めに報酬を頂かないと生活苦しくて困っていました。
真面目に頑張って現場でキツイ指示命令の配下で仕事を完結させたので適正な報酬を支払って欲しいと願っています。
就労先である引越業者Xは運送許可のある緑ナンバー、運送会社なのにドライバーのアルコールチェック、点呼業務がされていませんでした、ドライバーは正社員ではなくてバイトのドライバーで、ドライバーもこの会社は点呼もないしずさんな管理だとも言っていました。
同日にタイミーで働きに来ていた人達が口を揃えて時間外手当、残業しても残業申請しても認めて貰えないとも愚痴が聞こえていました。
タイミーは自分達の金儲けだけで、働く側(ワーカー)の立場に全くなっていません。
就労先である引越業者Xもタイミーから出向してくるワーカーを馬鹿にしている人権無視した仕事内容、いい加減な管理の中で働かされるワーカー、私も含めてこれから被害が出ないように私の事例が役立てば良いと思っております。
労働者の権利を侵害しているアップル運輸が、「誰からも愛される企業に」なれる日は果たして来るのでしょうか。
タイミーとタイミー導入企業の責任のスキマ
タイミーはそのビジネスモデルとアプリの仕様上、
- タイミー自体は労働者と雇用契約は結ばない
- 報酬の支払い方法などはタイミー導入企業は決められない
という性質があるため、
- タイミーは現場で起こる労働問題には関知しない
- 導入企業は報酬額の正確な計算をせず実際の支払いチェックもしない
という、労働者にとって1番重要である自身の勤務実態とその対価について、タイミーと企業からダブルでの無責任を決め込まれてしまっています。
今回のアップル運輸でも、実際に応募要項と勤務実態が異なっているにもかかわらず、タイミー側は勤務実態の確認をする事もなく、アップル運輸も実態に基づいた正確な賃金計算をしようとする意識もないため、起きるべくして労働問題が起き、挙げ句の果てには責任を取る意識も両者共に皆無となるわけです。
まさに労働者に対する雇用責任のスキマを巧みに突いたアプリと言えます。
一見すると非常に素晴らしいサービスだと言われてるタイミーですが、問題点が根本的なところにあるにも拘らず、指摘されても理解できない・改善する気もない経営者や株主などの関係者の姿勢から、実際に働く労働者からの口コミが劣悪なものが多い事も、非常に納得のいくところです。
そもそも労働者の権利は歴史的に見ても迫害されることが非常に多く、全人類が長年抱えている社会問題である事から、多くの国の憲法で労働組合が労働者の権利として保障され、日本においても労働基準法などその他の多種多様な法令において、労働者の権利は堅牢に守られてきた歴史があります。
法律のスキマ・責任のスキマ、様々なスキマを労働者を蔑ろにしながら巧みに突き続けるタイミーにおいては、自身の創り出したビジネスモデルやシステムが、スキマだらけの重大な欠陥を抱えている事をしっかり反省し、すべてのワーカーに対し過去に遡って全ての補償をしなければならないという、重大かつ緊急性の高い社会的責任を認識すべきでしょう。
また、アップル運輸はアート引越センターのフランチャイジー、つまり加盟店なわけですが、フランチャイザー、つまりフランチャイズ運営者であるアート引越センター株式会社のフランチャイザーとしての責任、さらにはその大元であるアートグループ全体の株主としての責任について、トカゲの尻尾切りで埒が明かない状況を根本的に打開していくためにも、これから社会全体に厳しく追求されるべきでしょう。
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